株式会社キャライノベイト
香料製造メーカーは国内に多く存在し、その差別化を図るうえで重要なことは「モノの価値を伝える」ことである。一般企業が行う一方的な利益追求のための大量生産大量消費に対する事業活動は現在主流のSDGsの要素を鑑みても適さず、また消費者の支持も得られない。当社では地域資源により密着し、高品質かつ永続的なモノづくりを行うことを前提としてプロジェクトを組む。その手法として当社が考案した「4つの場」を地域コミュニティに提供する点に本提案の新規性がある。
既存の「生産の場」に加えて、伝統工芸や地域に付帯する知識を発信する「発信の場」、直接生産者の声を伝える「販売の場」、生産者以外のサプライチェーンに関わる人や消費者が生産の場に集うオープンな「休息の場」を実証企業①と連携しながら形成し、生産者から消費者までが連動する新たなサプライチェーンを構築する手法である。すでに農産物では有益な結果を得ている手法である。”
日本では戦後、鉄道や飛行機が人の行動範囲を大きく変えた。さらに通信技術の進化は人々のコミュニケーション手段と頻度を大きく変化させた。流通を作るのは人の流れであるが、現在のDX技術は高速通信品質の向上等により、人の移動や場所にとらわれないビジネスを展開可能とする新しいステージを社会にもたらした。当社の顧客を例にとるとデジタル化が進む一方で実際に手に触るということが非常に価値が高い経験へと変わってきており、リアルの良さが引き立つ現象が起きている。実証企業④の伝統工芸を見据えたデジタル人材を上述の4つの場に配し、生産者たちが自分たちの手で本来の価値を伝えるためにデジタル技術を駆使することで大手企業と同等に渡り合うことが可能となる。したがって、デジタル技術を併用しながら当社が提供を既に始めている顧客への経験価値を伝統工芸の生産従事者にフィードバックすることが有効だと考えている。