WANOWA国造ゆずプロジェクト
石川県能美市国造地区で1980年から農薬を使わず育てられてきた「国造ゆず」を残したいとの思いから全国的にも栽培が少ない「多田錦」という品種のゆずを精油に精製し、コスメ商品の発売元である株式会社キャライノベイトの「WANOWAシリーズ」に展開しました。
元来、国造地区では生産者だけでなく地域住民が農薬不使用を維持するための共助の輪が根付いていました。地元の国立大学である北陸先端科学技術大学院大学でデザイン研究を広く行う永井研究室は、シーズとニーズの顕在化、サスティナブルな仕組みのプランと評価、さらにはそれらの解析結果に基づく価値創造を検討することで、当たり前のこととして根付いていたこの共助の輪を製品とサービスに展開するソリューションを提案。
そこで生まれたサスティナブルな仕組みが、国造ゆずを使うすべての取引業者にまで広げる橋渡しとして、商品の売上の2%を国造ゆずの持続的な生産を支援するために寄付するというものでした。この資金は次世代木の植樹の一部に使用されているだけでなく、国造ゆずを使う企業それぞれがもつ強みを結集して、国造ゆずの生産力向上、ブランド共創のための活動資金にも使用されています。この仕組みを2018年から継続的に活用することで、現在は、次世代木の植樹の輪、新たな生産人材の輪、協業を申し出る新たな企業の輪、地元大学の研究支援の輪、生産地ファンの消費者の輪という共助の五輪が産地全体の発展に寄与しています。