産学官連携

産学官連携とは

いま企業活動はすでに1社ですべてを行うという時代はすぎ、「競争」から信頼あるパートナーとなる他者との「協業」の時代となりました。産学官連携は、産業界(企業)と学術界(学)そして中央省庁や地方自治体(官)が文字通り連携して新しい事業や産業の創出につなげる動きですが、私どもRIの考える産学官連携は、まさにそれぞれの組織の「強み」を出し合い、さらに組織の枠を超えた協業により、ひとの心を動かす革新的な製品・サービスを生み出すことだと考えています。

産学官連携のnirsiの目的

地域資源を活用した産業に蓄積した「経験知」を顕在化し、そこに内在する価値を伝えることが大切であると考えます。産学官連携をすることにより、生産〜流通、製品・サービスさらには人材育成にいたるまでのソリューションを学術/学問的な理論をもって提示し、産業界だけにとらわれずに様々な組織の「強み」を結集して高い企画力の提供を目指します。

  • 産学官連携の実例

WANOWA国造ゆずプロジェクト

石川県能美市国造地区で1980年から農薬を使わず育てられてきた「国造ゆず」を残したいとの思いから全国的にも栽培が少ない「多田錦」という品種のゆずを精油に精製し、コスメ商品の発売元である株式会社キャライノベイトの「WANOWAシリーズ」に展開しました。
元来、国造地区では生産者だけでなく地域住民が農薬不使用を維持するための共助の輪が根付いていました。地元の国立大学である北陸先端科学技術大学院大学でデザイン研究を広く行う永井研究室は、シーズとニーズの顕在化、サスティナブルな仕組みのプランと評価、さらにはそれらの解析結果に基づく価値創造を検討することで、当たり前のこととして根付いていたこの共助の輪を製品とサービスに展開するソリューションを提案。
そこで生まれたサスティナブルな仕組みが、国造ゆずを使うすべての取引業者にまで広げる橋渡しとして、商品の売上の2%を国造ゆずの持続的な生産を支援するために寄付するというものでした。この資金は次世代木の植樹の一部に使用されているだけでなく、国造ゆずを使う企業それぞれがもつ強みを結集して、国造ゆずの生産力向上、ブランド共創のための活動資金にも使用されています。この仕組みを2018年から継続的に活用することで、現在は、次世代木の植樹の輪、新たな生産人材の輪、協業を申し出る新たな企業の輪、地元大学の研究支援の輪、生産地ファンの消費者の輪という共助の五輪が産地全体の発展に寄与しています。

本来であれば、より実践的な事を身に着けるための学生のためにあるべきものであるべきところも大いにあると思われる領域なので、学生と共に企業研修や新商品開発、ビジネスモデルの企画立案なども含め、大学の単位になるような研修制度なども長期的には模索していきたいと考えています。